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容疑者Xの献身【東京公演・2009年5月11日】 [エンゲキ]

※このCMのナレーションも川原さんですよ。


心は拍手をし続けたいのだが、体がついていかない。
どうも拍手筋肉が衰えてしまったようだ……。(´;ω;`)しょんぼり。
高校生の頃は、少ないエネルギーで大きな拍手を長時間する技を持っていたのだが。

劇場には、学校帰りの高校演劇部員と顧問と思われる人達もいて
懐かしく思った。

うちの部の顧問は国語教師で、
キャラメルボックスの脚本・演出の成井豊氏も、高校の国語教師だった
(※当時はまだ在職中だったかもしれない)
と嬉しそうに彼が話していた記憶がある。
元気にやっているだろうか。

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すばらしい舞台だった。

石神の心境は、私にはとても理解できる。理由はあまり言いたくはないが。
だからといって、その”献身”を実行するかは、別である。
しかし、そこに至る心の流れは、充分にリアリティを持って同感できるものだ。

「数学は紙とえんぴつがあればできる」
というのは、ともすれば、数学者としての本流から弾き出されてしまった自分へ
繰り返し言い聞かせてきた詭弁かもしれない。
研究者の輝かしい本道を今も歩く湯川から、「天才は健在だな」と評されて
それは石神にとって慰めになっただろうか。

数学とデザインはある意味、似ているのかもしれぬとすら、思った。

石神に共感を覚えた私にとっては、花岡靖子の中盤以降の心境の変化は
とてもとても苦々しく思えた。
だから、ラストは、非常にホッとしたのだ。

///

キャラメルボックスらしい、コミカルとシリアスの混ざり具合は、
日常に身を置いて生きる普通の人々との対比で
超人的な"献身"に心を固めた石神の『昏さ』を引き立たせるのに
丁度よい塩梅だったのではないかと、私は思う。

ガリレオシリーズは、これからゆっくり、原作を読んでいこうと思っているが、
湯川は岡田達也さん、草薙は斉藤歩さんのイメージがばっちり焼き付いた。
どの俳優さんも、すばらしい演技だった。

川原和久さんは、間宮警部という役で、
草薙刑事の上司として、部下に発破をかける辣腕ぶりと、事件の解決の為ならば、
「ガリレオ先生」の知恵を拝借するのを厭わない姿勢と、剛と柔併せ持つ人物だ。
「伊丹」とは同じ「刑事役」でありながら、
劇中まったく「伊丹」を感じさせられなかった。
記者会見の段階で「できるだけ、かぶらないようにしたい」と仰っていたが、
さすがさすがである。

メモを取る姿、キーボードを操る仕草、間宮は、とにかく所作が美しい男だった。

劇中、本を持って語る、ナレーションする演出がある。
自らを照らすサスが消えた暗闇の中でも、舞台上の俳優のアドリブに
きちんとリアクションをとっている。そんな芸の細かさ……。
だいすきだ!

川原さんの、セリフ外の、言葉に頼らない演技の部分。
それもとてもすばらしく、また、好もしく魅力的に感じる。


可能ならば、せめてあと一回、もう一度観たいと思っている。
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